「マンハッタン計画」と呼ばれたアメリカの原爆開発のメンバーで、後にノーベル物理学賞を受賞したリチャード・ファインマンの自伝を元に映画化。今世紀最高の頭脳の一人と言われた彼の半生を、数々のエピソードを添えて描いている。才能にも環境にも恵まれ、研究者としてのエリートコースを歩もうとしていたリチャードが、ある日パーティーで知り合った女性、アーリーンにひと目惚れする。二人はやがて惹かれ合い、愛し合うように。すべてが完璧に思えたリチャードの人生だったが、アーリーンが結核に冒されてしまう。結核は当時、死に至ることも珍しくない難病。しかしリチャードの気持ちが変わることはなかった……。離れて暮らすアーリーンを励まし勇気づけようと、リチャードが考え出す数々のアイデアとその姿が風変わりで可笑しく、またそれだけに一層胸を打たれる。主演は『GODLILLA』のマシュー・ブロデリック。彼の初監督作品でもある。

M.S.