編集部(以下編) 『ほめたくない部下をほめる技術』というかなり本音に迫った書籍だと思いますが、そんなに部下をほめたくない上司はいるものですか?
伊藤 そうですね、「部下をほめたくない」というよりも、「部下をほめたくないこともある」という方は多いのではないでしょうか。 ですから、「本当は部下なんてほめたくない」という本音を抱えている上司の方が多いということではなく、「部下をほめたくないこともある」と思ってしまう状況に置かれている上司の方が多くいらっしゃる。 つまり、基本的には「部下をほめて育てる」という考え方に賛同しているけれど、個別の場面では、ほめたいと思えない部下や状況に遭遇してしまうことが、多いのです。 ですから、「私はいつでも、どんなときでも部下をほめることができる」と自信を持っている方などは、むしろ少数派で、「部下をほめようとは思うけれど、ほめたくないときもあれば、うまくほめられないこともある」という状況を抱えていらっしゃる方は多いと考えています。
編 伊藤さんご自身は、そういった「部下をほめられないことがある上司」にどう感じていますか?
伊藤 私自身も、そういった状況を度々経験していますので、とても共感します。 ほめたくないことだって、ありますよね。
編 そのあたりが、本書を執筆するきっかけになっているのでしょうか?
伊藤 はい。 本書の中でも触れていますが、「ほめたくないこともある」状況に対して、じゃあ、部下への愛情とか上司の人間性の向上といった以外の対策を紹介するアプローチがあってもよいだろう、と考えて執筆を進めました。
編 本書には、「ほめる技術」のための、さまざまなエピソードやアドバイスが登場しますが、本書内で紹介しきれなかったエピソードやアドバイスなど、ありますか?
伊藤 挙げるとキリはないですが(笑)。 実はどの技術も、部下に対してしか使えない、ということではありません。本書では部下に関連したエピソードのみ紹介していますが、実際は生活の様々な場面で使うことができます。 例えば、3章で紹介している「インタビュー的なほめ方」など、こちらから積極的にほめるというよりも、相手の話を聞いているだけで、相手をほめたのと同じ効果を生むという技術です。 こうした技術は、部下に限らず、ご夫婦、お子さん、友人に対しても、幅広く使うことができますし、当然相手との信頼関係が生まれたり、自信を与えたり、といった「ほめる」ことと同じ効果が生まれてきます。
編 最後に、本書をどういった方に読んでいただきたいか、ひと言お願いします!
伊藤 部下の指導方法に悩んでいる上司の方はもちろん、今は特に悩みはないという上司の方にも。上司は部下を選べませんからね(笑)。 そして、将来部下を持つ予定の方や、さきほどお話したように、本書の技術は何も部下に限らず使えます。 お子さんや生徒さんの教育に携わる方など、幅広い皆さんに参考にしていただき、そして、明るい職場と学校と家庭が増えて、少しであっても日本が明るくなってくれれば、こんなに嬉しいことはありません。
編 本日はどうもありがとうございました。 |